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大場 正規; 丸山 庸一郎
JAERI-Research 2001-040, 24 Pages, 2001/08
レーザーによる同位体分離の実現には、Uを励起,電離するために高い平均出力の波長可変レーザーが必要である。このような波長可変レーザーを実現するためには、それを駆動するポンプレーザーが不可欠である。これまで分離波長可変レーザーのポンプレーザーとして銅蒸気レーザーが有望視され、その技術開発が行われてきた。しかし、近年の半導体レーザーの高性能化による固体レーザーの性能向上により、ポンプレーザーとしての固体レーザーの利用が分離エネルギー低減の観点から有望であると考えられるようになった。原研では、このような性能を満足するポンプレーザーとして半導体レーザーでポンピングされるジグザグスラブレーザーを選定し、その開発を進めてきた。しかし、レーザー媒質が吸収する光のみを発生できる半導体レーザーを利用しても、その一部は熱に変化し、この結果、結晶内に応力が発生し、熱複屈折や熱レンズなどの効果が生じ、出力の減少や光の質の低下をもたらす。このような効果は繰り返し数や平均出力が高くなるほど大きくなるため、これらの効果の抑制あるいは制御が重要な課題となっている。このためモデルを用いて発振繰り返し数2~2.5kHzのNd:YAGレーザーの出力特性及び使用するレーザー結晶内の熱分布,熱歪み,復屈折効果などを計算した。この結果、最適設計を行うことにより、2kHz級の発振繰り返し数で、緑色光平均出力500W級のNd:YAGレーザーが実現可能であるとの見通しを得た。